神も動物も具えている「優美」が人間だけに欠けている
オルダス・ハックスレーは、「優美」grace の追求ということが、人間にとって中心的な存在だと述べている。彼のいう grace の意味は、新約聖書における grace の意味〔神の恩恵〕と変わらないとオルダス自身は考えていたが、しかしその説明は彼一流のものである。ウォルト・ホイットマン同様、彼もまた動物の行動とコミュニケーションに人間の失われた純良さ、素朴さを見出していた。人間の行動は、目的心や自意識からくる「あざむき」によって汚されている、おのれ自身すら人間はあざむく、その理由は動物たちがいまも持っている「優美さ」を人間が失ってしまったことにある──とオルダスは考えた。 (more…)
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